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104 未包括寺院対策の法整備がなされる
宗則は発布されたけど・・・


 

   第273回定期宗会において議決された宗則10件が今年の3月10日付けで発布されました。
 その中で僧侶規定と寺院規定の一部の変更というものがありました。
 この変更は東京首都圏に無秩序に開設されていく未包括寺院対策に有効なものと期待するものです。

 その変更内容は、僧侶規定については、各寺院の僧籍台帳の記載事項に「現住所」が加えられ、それに変更があったときは、住職が総局に届け出なければならないというもの。
 今までは、現住所の記載がなかったので、特に寺院に居住していない僧侶の現住所が把握出来なかった。
 したがって、どこで何をしているのかわからなく、場合によっては住職の知らないところで未包括寺院になっていることもあり得たのである。
 このたびの改正によって僧侶の現住所が把握できるようになる、というもので、この制度が行き届くと(僧籍台帳の記載事項に「現住所」が加えらるのは平成17年4月1日から)首都圏に東京教区所属以外の僧侶がどこに何人居住しているかわかるのである。

 しかし今現在「住所不明」の衆徒が居る場合は、「住職が総局に届け出なければならない」とあっても、最初から届けられないのなら、変更もできないので、結局どこで何をしていても今回の改正では網の目を通り抜けてしまう。

 次に、寺院規定については、寺院が従たる事務所を設置するときは、従たる事務所の地域の組長、教務所長の承認がいるという一文が加えられた。
 要するに分院を設置するときは、その地域の組長教務所長の承認がいるということである。

 しかし、こういう規定には盲点があって、この場合、従たる事務所の設置を寺院規定に記し、宗派に届け出た場合この承認が発生することで、宗派に届け出なければ勝手に従たる事務者が開設できるのである。
 そしてそれ以前に寺院規定に「従たる事務所」の定義がなされていなく、何をもって従たる事務所とするのかが不明確で、設置者がうちのは従たる事務所ではないと言い切ってしまえば、この宗則が適用されなくなる。

 関係省庁は、従たる事務所の定義について口頭ではあるが
    @礼拝施設があること
    A門信徒がいること
    B宗教法人事務が行われていること、

などと発言していると言うが定義されたわけではない。
 したがって、礼拝施設がなく、門信徒がないマンションなどの僧侶の自宅で、宗教法人とは別の事務形態で、葬儀社などと積極的な事業提携をして法務をこなしているような典型的な未包括寺院はこの規則がの適用外になってしまう。

 この2つの規定で、未包括寺院の野放図な活動に歯止めを効かせることが出来るかと言えば「否」であろう。
 この規則が適用されるには、大前提に寺院規定や僧侶規定に定められた届け出義務を守った場合に発生することである。
 現実問題として、現在東京首都圏で未包括寺院としてうごめいている寺院はこれらの規定を守ろうはずがないし、所属寺からこの変更についての連絡も無かろう。
 それにもまして現住所がわからなければ連絡しようもない。そしてそしてそして、これらの届け出に使用する「届け出用紙」がまだ出来てない。
 ますますの法整備を期待したい。


(清内路)